早稲田大学教育学部社会科公共市民学専修

教員紹介

新着情報(2025.4):及川雅斗先生、新藤雄介先生ご着任

公共市民学専修では、法学・政治学・経済学・社会学・マスコミュニケーション学の分野の13人の専任教員が密に協力しつつ、学生の指導と研究を進めています。(以下、五十音順)

遠藤美奈 (Mina Endo)  法学・政治学 – 憲法学

■教育・研究内容

国の政治の枠組みと、私たち一人ひとりの権利・自由とを定める憲法は、現実社会に作用する権力を創出し、規律する文書です。授業では、多数決の判断は誤りうることを前提に憲法に組み込まれたさまざまなメカニズムとその作動例について、学生のみなさんといっしょに考えています。私自身の最近の問題関心は、「構成員のそれぞれが相手を対等な者として見ることのできる社会」を憲法の視点からどのように構想するかにあります。法と政治、公権力と個人のありようと相互の関係性を、将来に開かれたものとして動態的に検討しようと努めています。

■主要著作

・論文「生存権の射程」憲法問題34号、23-34頁(2023年)。
・論文「社会国家のゆくえ──グローバル・サウスから考える」論究ジュリスト38号、86-92頁(2022年)。
・論文「『在る』ことを繕う──憲法と相談支援」菊池馨実編著『相談支援の法的構造:「地域共生社会」構想の理論分析』(信山社、2022年)13-31頁。
・論文「生活保護と自由の制約──憲法学からの検討」『摂南法学』23号、33-60頁(2000年)。

■教員からのメッセージ

「世の中の決まり」は所与でも不変でもありません。憲法は、誰かにとっての当たり前が別の誰かにとってはそうでないことを明るみに出す力をもっています。学習が進めば、物事が違った姿で見えてくるはずです。「見え方が変わる」驚きをぜひ味わってほしいと願います。

及川雅斗(Masato Oikawa)  経済学 – 医療経済学/応用ミクロ計量経済学

■教育・研究内容

私たちのまわりには、少子高齢化や地球温暖化、紛争といった解決すべき社会課題がいくつも存在しますが、少子化による影響などで、これら課題を解決するための人材や資金といった資源が減少しています。限られた資源を無駄なく活用し、できるだけ多くの課題を解決するためには、過去の経験からヒントを得ることが重要です。私は、健康や教育に関する過去の政策をデータで分析し、社会課題の解決に役立つヒントを見つけることに取り組んでいます。

ゼミでは、身近な現象や課題をデータを用いて分析するための方法を学んでいきましょう。

■主要著作

・論文 “Impact of Financial Support Expansion on Restaurant Entries and Exits During the COVID-19 Pandemic,” Small Business Economics, Volume 64, pp.645-689, February 2025 (open access)(大西宏一郎先生との共著).
・論文 “The role of education in health policy reform outcomes: Evidence from Japan,” European Journal of Health Economics, Volume 25, pp.49-76, February 2024 (open access).
・論文 “Do macroeconomic shocks in the local labor market lead to child maltreatment and death?: Empirical evidence from Japan,” Child Abuse & Neglect, Volume 124, February 2022, 105430 (open access)(川村顕先生、姜 哲敏先生、山縣然太朗先生、野口晴子先生との共著).

■教員からのメッセージ

私たちは、社会や自分の身の回りで起きている出来事について、しばしば「わかったつもり」になってしまうことがありますが、そこでいったん立ち止まり、「それって本当?」と一歩踏み込むことで、物事をより深く理解するための方法を公共市民学専修で一緒に学んでいきましょう。

大西宏一郎 (Koichiro Onishi)  経済学 – 産業組織論/応用ミクロ経済学

■教育・研究内容

イノベーションは社会の進歩に欠かせないものであり、企業の収益の源泉でもあります。私は、これまで主に企業のイノベーションや知的財産権に関するマネジメントの分析や、政府によるイノベーション政策の効果を、様々なデータを使って実証的に評価することをやってきています。イノベーションを促進すべく導入した企業の新たなマネジメントシステムや政府の施策も、期待された効果を得られなければ意味がありません。データを使って客観的に評価することで、新たなマネジメントや施策の方向性を検討しています。

ゼミでは、データを使って一通りの分析・評価できるようになることを目指し、そのために必要な知識と実践方法を、実習を通じて学びます。

■主要著作

・論文「特許の審査請求料等の減免制度の利用が企業の特許登録等に与える影響」『Patent Studies』No.68, pp.35-50, 2019年.
・共著論文“How does Graduate Education Affect Inventive Performance? Evidence from Undergraduates’ Choices during Recessions,” RIETI Discussion Paper, 18-E-016, 2018年.

■教員からのメッセージ

社会は複雑で、まだまだわかっていないこと、知られていない事柄が山ほどあります。しかし、現在まで何がわかっていて、何がわかっていないのかを理解するには、過去から蓄積された知識を学ぶ必要があります。学生の皆さんも大いに学び、そして新たな知識の開拓に挑戦してくれたらと思います。

北山雅昭 (Masaaki Kitayama)  法学・政治学 – 民法学/環境法学

■教育・研究内容

民法学については、民法(学)という法律(学)領域の歴史と基礎的な特徴・考え方、しくみについて考えること、働いて金銭を手にし商品を購入する、そのために多様な契約を取り結ぶ社会(経済的市民社会)と法の機能や役割について検討しています。特に加害者によって損害を被った被害者の救済(賠償など)を図る不法行為法領域について研究してきました。また環境を守る法制度(環境法)については、特にドイツの法制度の歴史的変遷、なかでも自然保護法とナチズム・全体主義との関わりについて研究しています。法制度の歴史的変遷とその時々の人びとの(法)意識や、法制度が形づくられるうえで作用する諸要因、経済・社会構造と人々の意識状況について関心を持って研究しています。

■主要著作

・共著書『ライフステージから学ぶ法律入門』ミネルヴァ書房、2014年。
・共著書『レクチャー環境法』法律文化社、2010年。
・共著書『環境・公害法の理論と実践』日本評論社、2004年。

■教員からのメッセージ

目先の必要からではなく長期的、歴史的視野から、個人の私的空間ではなく世界的な視点からものごとを考えることが大切です。多種多様な多数の人々によって形づくられているこの世界の、多種多様な見方考え方を共に学んでいきたいと思っています。

熊谷善彰 (Yoshiaki Kumagai)  経済学 – 金融論/ファイナンス論/金融工学

■教育・研究内容

為替市場や株式市場なとの金融市場において取引が行われ、価格が変動するメカニズムとその計測方法、設備投資や資産運用の意思決定に際して、将来の不確実性を適切に考慮に入れる方法を研究しています。また、不確実性の下での意思決定について学ぶ中高生向けの教材の開発にも関わっています。授業では、経済全体においてマネーと信用が果たしている役割、経済を安定的に成長させるための金融システムと金融政策、リスクとリターンの関係、リスク管理、企業の資金調達と投資、などについて考えていきます。

■主要著作

・論文「リスクと向かい合う」『しごと能力研究(特集号)』2018年、262–277頁。
・著書『コンパクト金融論』新世社、2010年。
・著書『金融時系列データのフラクタル分析』多賀出版、2002年。

■教員からのメッセージ

これから皆さんは様々な場面で意思決定し、自らの人生や社会の在り方を方向付けていきます。情報がますます溢れる中、現実の社会をいろいろな観点から分析し、未来を予測し、リスクに対処することが求められます。そのための力を大学で身につけて下さい。

黒田祥子 (Sachiko Kuroda)  経済学 – 労働経済学/応用ミクロ経済学

■教育・研究内容

日本の労働市場について、経済学の視点から研究しています。テーマは、賃金、失業、時間配分、長時間労働や働き方が心身の健康や生産性に及ぼす影響、ギグワークやテレワークなどの新しい働き方の研究など多岐に亘っています。この数年は、人事データや健康データ、銀行データなどを用いた実証研究を多角的に行っています。

ゼミでは、ミクロ・マクロ経済学、統計学、計量経済学の基礎を学んだ上で、簡単なプログラミングも習得できるようカリキュラムを組んでおり、最終的には実証論文を執筆できるレベルになります。

■主要著作

・共著論文 “The impact of a mobile app-based corporate sleep health improvement program on productivity: Validation through a randomized controlled trial,” PLOS ONE, 18(11), 2023.
・共著論文 “Who took gig jobs during the COVID-19 recession? Evidence from Uber Eats in Japan,” Transportation Research Interdisciplinary Perspectives, 13, 2022.
・共著書 『労働時間の経済分析 超高齢社会の働き方を展望する』日本経済新聞出版社、2014年(日経・経済図書文化賞受賞,労働関係図書優秀賞受賞)。

■教員からのメッセージ

学生の皆さんには、経済学の基礎を学ぶことで経済学的な思考センスを身につけるとともに、データを観察し、実際に触ってみるといった学びを通じてデータを読み解く力を養ってほしいと思います。

近藤孝弘 (Takahiro Kondo)  社会学 – 政治教育学

■教育・研究内容

ドイツとオーストリアの政治教育を研究しています。特に戦後の両国で民主主義社会がどのように建設されたのかが関心の中心にあります。民主主義を維持・発展させることは一般に思われているほど簡単ではありません。民主制と独裁制は表裏一体です。私自身は、教育政策や歴史政策と呼ばれる、その時々の世界観と政治的価値観が象徴的に表れる対象に注目して両国における民主主義の歩みを比較検討していますが、ゼミの参加者には、私の研究分野のことは特に意識せずに、それぞれの関心を活かして研究を進めていただいています。そのためゼミのみなさんの卒論テーマは多岐に及んでいますが、最近は若者の政治参加や高等教育論を含む教育による階層再生産の問題、さらに移民の統合や地域の再生などに比較的関心が集まっているようです。

また野上教授と共同開講の公共市民学Ⅱ-2(記憶と記録)では、記憶の政治に関する入門的な内容を扱います。

■主要著作

・共著書『歴史教育の比較史』名古屋大学出版会、2020年。
・著書『政治教育の模索-オーストリアの経験から』名古屋大学出版会、2018年。
・著書『ドイツの政治教育』岩波書店、2005年。

■教員からのメッセージ

ひとに教えることは最良の学習方法だと言います。多くの方に、市民社会の担い手を育てる方法について考える経験を持っていただき、それを自らの政治的市民としての成長の糧としてほしいと思います。

澤康臣 (Yasuomi Sawa)  マスコミュニケーション学 – ジャーナリズム論

■教育・研究内容

ジャーナリズムの意義、倫理、実践について考えています。ニュースは、私たちが民主主義の社会と政治の運営者として必要な情報を知り、市民どうし繋がり議論する上で決定的な役割を果たします。ならばニュースはどうあるべきか。喜ばれようとグルメ情報や面白い小ネタが中心になれば、市民は社会の問題を知らないまま不正や不条理の被害者に、あるいは共犯者になっていきます。かといって味気ない四角四面の情報では目を向けてもらえず議論も起きず、報道の役割を果たせません。良いジャーナリズムとは——それを探究するため、ゼミでは学生メディアをつくり、ゼミ生は学生記者として取材と報道を行い「何をどう報じるか」というシンプルで難しい問題を討論します。

■主要著作
・著書『事実はどこにあるのか 民主主義を運営するためのニュースの見方』幻冬舎、2023年。
・著書『グローバル・ジャーナリズム 国際スクープの舞台裏』岩波書店、2017年。
・著書『英国式事件報道 なぜ実名にこだわるのか』文藝春秋、2010年。

■教員からのメッセージ

SNS時代、情報発信の感動とともに、信頼できる情報を探す難しさも感じることでしょう。広く深く拡大を続ける情報の海の中、ジャーナリズムとはいかなる営みか。その手がかりに、まずは報道メディアから多岐に貪欲に知識を吸収し、自らの視角をできる限り広げ、いわば「ニュースの目利き」を目指すよう熱望します。そして生まれた自分の考えをリアルコミュニケーションで議論すること、さらに読書で深めることもです。

新藤雄介(Yusuke Shindo)  社会学 – メディア研究

■教育・研究内容

近代のメディアについて、文書館や資料館に残された資料の調査を通して、歴史的な研究に取り組んできました。特に、新聞・雑誌・書籍といった出版文化や読書文化に加え、図書館や書店といったものが中心です。また、現代に関わるものとして、東日本大震災の原子力発電所事故とメディア報道の関係についても、調査と研究を進めています。

メディアを歴史的に捉えることの面白さは、それが私たちの知っているメディアとは、時に全く異なるものであったり、全く異なる使われ方をされていることです。このことは翻って、現在のメディアのあり方も、現時点のあり方にすぎないことを意味しています。学生のみなさんには、そうした視点を大切にして伝えるようにしています。

■主要著作

・著書『読書装置と知のメディア史――近代の書物をめぐる実践』人文書院、2024年(日本図書館情報学会賞受賞)。
・共編著『復刻版 何を読むべきか』(全7巻)不二出版、2022年。
・論文「東日本大震災の原発事故避難者が取材に応じるということ――新聞紙面とテレビ放送の外側」『マス・コミュニケーション研究』99号、2021年、29-47頁。

■教員からのメッセージ

「あっ、それでもいいんだ。それもあるんだ」という気づきは、人間を自由へと解放し、自分の可能性を広げてくれます。学問は、そうした気づきを与えてくれる最たるものです。そのためにも、大学で受けた刺激を大学の外へとどんどん開き、社会のさまざまな文化に触れていってみてください。

高安健将(Kensuke Takayasu)  政治学 – 比較政治学

■教育・研究内容

私の研究の出発点は、国際関係と国内政治の接点領域に対する関心でした。その後、この二つの世界の相互作用について政策決定に注目しながら、首相や大臣、官僚制、議会と政党がどのような働きをするのかを、日本と英国を比較しつつ観察してきました。と同時に、政治社会における権力の創出とコントロールに注意を向けてきました。公共善であれ必要悪であれ、ひとりでは解決できない問題のために政治権力は正当化されます。しかし、それはしばしば暴走をします。これをどのように制御するのか。規範的な問題意識と現代政治分析は結びついています。ゼミでは、学生の皆さんの問題関心に合わせながら、より深く政治現象を理解し、その意味を捉える力をつけてもらえるように一緒に学んでいきたいと思います。

■主要著作

・著書『議院内閣制変貌する英国モデル』中公新書、2018年。
・著書『首相の権力日英比較からみる政権党とのダイナミズム』創文社、2009年。
・共著書『平成の宰相たち指導者一六人の肖像』ミネルヴァ書房、2021年、 担当「細川護煕・羽田孜 —改革派政権の誕生と限界」(井上正也との共著)。

■教員からのメッセージ

大学は求めた分だけ得られるものが増える場です。何を得たいかは人それぞれですが、自分を大事に他者を大事に、一歩を、そしてその次の一歩を踏み出し、手を伸ばしてみて下さい。

千野貴裕(Takahiro Chino)  政治学 – 政治思想史・政治理論

■教育・研究内容

行政府や立法府で行われる「政治」は狭義の政治です。諸個人が他人と取り結ぶ関係や、われわれが不可避的に巻き込まれる社会関係も、他者との対話や権力関係といった要素を含む点で、政治の対象です。政治思想史は、過去の思想家がこうした広い意味での政治を分析し取り出した人間観、社会観、政治観を研究する学問です。そうすることで、現在のわれわれのあり方や考え方を絶対視せず、政治社会の基礎単位としての人間、また多様な人間を包摂する制度について考えることが政治思想史の大きな目的です。私自身は19-20世紀のイタリア政治思想を専門としています。

■主要著作

・論文 “The Modern State and Future Society: Gramsci’s Two Conceptions of the ‘Ethical State’”, The European Legacy, 27(2): 125-842, 2022年.
・論文「グラムシアン・モーメント:グラムシにおけるヘゲモニーと市民社会を再考する」『思想』1165号、80-102頁(2021年)。
・論文 “Gramsci’s Critique of Croce on the Catholic Church”, History of European Ideas, 46(2): 175-89, 2020年.

■教員からのメッセージ

現代は間違いなく不透明で困難な時代ですが、人類が困難な時代を経験するのは初めてではありません。歴史上の様々な困難と人間が格闘した記録の集成が政治思想史です。政治思想史を学ぶことをきっかけに、現代の問題と格闘する体力を身につけてください。

野上元(Gen Nogami)  社会学 – 戦争社会学・歴史社会学

■教育・研究内容

社会学で歴史を考えること=「過去と現在をつなぐ想像力やそのための実践」をしているうちに、「戦争」そして「軍事」というテーマにたどりついてしまいました。「公共」や「市民」の裏テーマである、戦争による社会変動や軍事をめぐる社会制度、軍隊と社会の関係はもちろん、さらに戦争体験や戦争の記憶に根ざす大衆文化や思想史、社会意識も含めて分析を進めることのできる社会学は本当に楽しく、戦争や軍事に対して政治学や平和学、歴史学とは違ったアプローチを提供できるのではないかと思っています。ゼミでは、「実際に調査してみるゼミ」をテーマに、従来の調査法にとらわれない新しい方法も含めて様々な社会調査法を組み合わせてそれぞれで調査計画を立て、実際に実行して皆で検証する、というプロセスを大事にしています。

■主要著作

・著書『戦争体験の社会学』弘文堂、2006年。
・共編著『シリーズ戦争と社会(全5巻)』岩波書店、2021-22年。
・共編著『歴史と向きあう社会学』ミネルヴァ書房、2015年。
・論文「軍事におけるポストモダン―現代日本における社会学的探究のために」『社会学評論』72巻3号、2021年。

■教員からのメッセージ

「これは何をしていることになるんだろう?」。いつでもどこでも皆さんが、参与観察としての社会学を始められる魔法の呪文(独り言)です。何かに参加しながらそれを観察し説明すること。逆に観察・説明しながらも傍観者にならず参加し続けることも市民として重要です。

若林幹夫 (Mikio Wakabayashi)  社会学 – 都市論/メディア論/時間-空間論

■教育・研究内容

都市論を研究の軸として、電話のメディアコミュニケーション、地図と社会的想像力、夏目漱石と近代社会、現代のメディアテクノロジーと時間・空間の変容、郊外、ショッピングモール、未来、ノスタルジアとユートピアなどについて社会学的に考えてきました。現在は東京臨海部を対象とする現代都市論、バードウォッチングから考える自然と人間の関係論に取り組んでいます。

ゼミでは「時間と空間の社会学」をテーマに、時間意識、都市、建築などを手がかりに、人間が「共にあること」の形や構造と、それらを支えるメカニズムについて考えています。

■主要著作

・著書『ノスタルジアとユートピア』岩波書店、2022年。
・著書『未来の社会学』河出ブックス、2014年。
・著書『都市論を学ぶための12冊』弘文堂、2014年。
・著書『モール化する都市と社会』NTT出版、2013年。

■教員からのメッセージ

これまで当たり前だと思ってきた社会のあり方や、社会を生きる自分や他人のあり方が、社会学を学ぶとそれまでとは違って見えてきます。その時みなさんは、社会や自分たちが〈このようにあること〉の仕組みを知ると共に、社会も自分たちも〈他でもありうること〉を知ることになります。それは不安な経験でもありますが、新しい思考と生の自由への手がかりを獲得することでもあるのです。