以下では、2020年度2年生および1年生が、公共市民学専修で秋学期まで学んだ後に書いた感想文の一部を紹介します。
公共市民学専修は、最初は何を学ぶのかよくわからない部分が多くありました。しかし、2年間を通して、経済学・法学・政治学・社会学・メディア学という様々な学問に触れることで、最初は興味がないと思っていた学問に興味を持つようになりました。これは、様々な学問を幅広く学ぶことができる公共市民学専修の魅力的な点だと思います。苦手な学問に対しては、やはり最初は抵抗があります。しかし、学んでいく中で、他の学問との繋がりを発見することで、多くの学問を学ぶ意義も理解できるようになりました。そして、もっと学びたいと思った時に授業の回数が終わってしまった気がします。ですから、これからは、2年間で見つけた自分の興味のある学問をより学んでいきたいと思いました。今年は、オンライン授業だったこともあり、1年があっという間に過ぎ去った気がします。大学生活の中での学べる時間を大切にし、これからも学問に向かっていきたいと思いました。公共市民学専修の良さを活かし、精一杯頑張ります。
(公共市民学専修2年 光安由里)
公共市民学専修では政治学や社会学、法学や経済学など社会科学という分野で幅広く学べることが魅力だと思います。またこれらの各分野はつながりがあり、政治学で学んだことが社会学でも出てくるなど学んだことが他の分野で出てくることが多々あります。1年は必修が多く、幅広く学び、2年で自分のとりたい授業、ゼミの選択などをして専門的に学ぶことになりますが、1年で幅広く学んだことを活かせることが良い点だと思います。
(公共市民学専修2年 柿崎晴菜)
公共性。簡単そうで、実はとても難しい言葉でした。経済学、社会学、法学、メディア学、ジャーナリズム的視点、哲学そして、政治学などの様々な視点から、社会の中にある公共性というものを見つめ、かつ捉え直すことを2年間実践してきました。日々の生活の中で、当てはまることが、身近な所からたくさん溢れていて、気づかなかった、あるいは知らなかった部分をたくさん見出すことができました。また、自らを社会の中のひとりとして、客観的視点をも養うことができたと感じています。公共市民学がもっと、世の中に知れ渡ると、社会全体の幸福に繋がると確信しています。
(公共市民学専修2年 谷口莉子)
公共市民学での学びは新しいだけに、言葉ではうまく説明できないけれど、なんだか編み物をしているようだ、と深めていくなかで感じています。組み合わせ方は自由、それぞれの糸を通して作る形は、人それぞれというところが、また面白く、そして何にも言い難くしている所以であるかもしれません。入学してからしばらくを、メディア学、法学、経済学、社会学、哲学、政治学などの糸にふれて、触り心地を確かめる期間だったと位置づけるならば、この一年は、それを寄り合わせ、なんとなく編み始めようとデザインを心に描くような期間だったのかなと思っています。「当時はよくわからなかったけど、なるほどここにつながるのか」とか「この学問のこれとあの学問のこれは本質的につながっているのか」とばらばらだった糸が、実は太くなったり、より合わさったり。そして、縦と横につながりが生まれてきました。もちろん最初も学ぶ喜びはありましたが、だんだんとできあがっていくにつれて、楽しさもぐぐっと倍増しています。周囲の変化から私自身社会への興味や問題意識がここ最近で増してきたこともあり、より合わせていく素材も大きく広がりが生まれてきました。これから後もう半分と残っていますが、ここからどんな風に編んでいこうか、編むことになるんだろうかとわくわくしています。
(公共市民学専修2年 安重百華)
この2年間、公共市民学専修で学んできて、本当に良かったと感じている。理由としては、様々な学問を幅広く学ぶことができるからである。自分は本来大学では、自分が学びたい学問を専門的に学ぶべきだと考えているが、今の日本の大学受験の段階では自分が本当にやりたい学問領域を明確に絞れる術は無いと感じている。考えてみれば当たり前で、私たちは、理系は除いて高校までやってきた勉強と比べてはるかに高度な領域の学問をオープンキャンパスなどで体験授業を受けるとはいえ、学んだことがほぼない状態で学部を決めなければいけない。今まで2年間様々な人と会話をしてきたが、最難関と言われる政治経済学部に入学している人でさえやりたいことがないから面白くないと言っている人を見てきた。せっかくたくさん勉強して入学したのに、ミスマッチが起きていて、ましてやサークルなどがある中での転部試験は難しいというバイアスもあり、その学部にとどまるしかない人が早稲田大学にもいるということは、非常にもったいないことだなと感じている。それに比べ、公共市民学専修では幅広く多様な学問領域を学ぶことができ、非常に面白くて飽きない毎日だったし、3年から始まるゼミでは、自分の触れたことのある学問領域から選ぶことができるので、たくさん迷ったけど最後は自信をもって自らの専門分野を決めることができた。社会科学部でも良いのではと思うかもしれないが、様々な学問を自主的ではなく必修として履修しなければいけない公共市民学専修の環境だから、哲学などの自主的に取らなかったであろう学問にも触れることができ、おもしろさに気づくことができた。そういった経験をしたからこそ、本当にこの専修に入れて良かったし、自分が自信をもっておススメできる場所であると感じている。
(公共市民学専修2年 加知佑仁)
この公共市民学専修で、これまで経済学・法学・政治学・社会学それぞれの概論で社会科学の基礎を学び、哲学概論で人文社会科学を基礎づける考え方を身に付けてきた。ここまで多くの学問分野に触れることができ、自分の関心に応じた学問分野を選択し、学ぶことが出来るのはこの公共市民学専修の大きな魅力の一つであると改めて感じる。私はこの2年間を通して経済学に強い興味を抱いた。そしてそれに関連する授業を多く履修することできたが、他の学問分野だけでなく他学科・他学部の授業なども併せて履修することで1つの分野に過度に傾倒することなく学ぶことができたと実感している。3年次からはゼミナールが始まり、自分と同じ興味・関心を持った仲間と共に学びを深めていくことが出来るということで非常に楽しみにしている。
(公共市民学専修2年 成井聖人)
公共市民学専修では専門科目を1つだけ学ぶというものではなく、経済学や法学、社会学といった多岐にわたる学問を学ぶことが出来ました。まだ自分の学びたいことが確定していない自分にとって良いカリキュラムだと思いました。この一年間を通して、自分がどのような分野に興味を持っているのかを少しばかりではありますが理解することが出来ました。大学1年でいろいろな分野を学べたことは2年次にいい影響を与えると思います。
(公共市民学専修1年 上江洲由将)
私は当初,公共市民学専修での学びについての理解が著しく欠如していたように思う。2020年5月時点では漠然と法学や経済学,社会学などの社会科学における諸分野について学ぶことができるところなのだという理解しかなかったのである。しかし,いざ公共市民学専修での学びが始まると,私の観念していた理解がいかに乏しいものであったのかを思い知らされた。私がこの1年で学んできたことは,法学や経済学,社会学などの社会科学における諸分野などという言い方で感じられるような,脆弱な連関の上に成り立つ学問体系ではなかった。私は,政治的なり経済的なりの様相を帯びた市民という社会を作り出す主体を中心に,法学や経済学,社会学などの諸分野にみる強固な連関の上に広がる社会科学という大きな体系を学んできたのである。もっとも,私はまだ1年弱しか公共市民学専修で学んでいないのだから,おそらくその片鱗を垣間見たという程度なのかもしれない。しかしながら,それに気付くことができただけでも大きな学びであったと思う。今年感じることのできた社会科学という大きな体系を,来年の今頃には,さらに大きく感じられるようになっていることを期待している。
(公共市民学専修1年 熊谷凌)
公共市民学専修では公共市民学の授業を通して、法学、経済学、政治学、社会学、メディア・コミュニケーション学を学ぶことが出来るため、さまざまな側面から社会について理解することが出来ると感じた。1年間の学習を通じて、1つの学問を専門的に学ぶのではなく、さまざまな学問を横断的に学ぶことが出来るのが公共市民学専修の魅力であると感じた。これらの学問を横断的に学ぶことで、それぞれの学問が互いに関係しあっているということもを理解できた。1年間公共市民学専修でさまざまな学問を学んできた中で私は特に社会学とメディア・コミュニケーション学に関心を持ったため、これらの学問の学習を深めていきたいと思っている。
(公共市民学専修1年 三品遥香)