早稲田大学教育学部社会科公共市民学専修

ゼミナール

一部ゼミナールの文章と画像を更新しました(2024年10月)

千野貴裕ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(政治学)A)

執筆:筋野諭祐、長妻堯

千野ゼミでは政治学を軸に、幅広いテーマについて学んでいます。実際のゼミでは、ゼミ全体で決定した輪読する書籍をゼミ生が分担して輪読・報告をし、その内容をもとに議論を進めていく形式をとっています。議論のなかで様々な話題が飛び交うため、自分の興味のある分野から視野に入っていなかった分野まで幅広く学ぶことができるのが魅力です。千野先生もフレンドリーに話してくださるほか、ゼミ生が司会となって進めるため発言しやすい雰囲気があります。報告に向けたレジュメの作成はもちろん、積極的に議論に参加することで理解力やコミュニケーション力が鍛えられていると感じています。自分が興味のあるテーマに思う存分取り組むことかができ、自由に考え発言できる環境が整っています。

遠藤美奈ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(政治学)C)

執筆:谷口颯

遠藤ゼミは、憲法を中心に「公共」と「市民」について考えるゼミです。憲法という国の基本法をもとに、この国の在り方や課題について、学生が順番に発表を行い、それらに対して、ゼミ生同士が自由に議論を交わしています。また、初学者でも基本書や遠藤先生の丁寧な指導を通じて、憲法について分かりやすく理解することができます。

さらに、課外活動との両立がしやすいゼミでもあるため、ゼミ生のサークル所属先は早稲田の三大サークル含め多様であり、そして、本ゼミは、憲法という問題領域が広い学問を扱うため、探究への自由度が高く、各自が興味を持つテーマについて学べます。

「憲法」というテーマから堅苦しいイメージを持つかもしれませんが、遠藤ゼミはそのようなことなく、和やかな雰囲気のもと、真摯に、自分らしく学問に向き合える環境が整っています。

北山雅昭ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(法律学))

執筆:長岡光祐

ゼミ報告は環境法の対象と目的(概括)から始まり、熊本水俣病事件、国立景観事件、豊島事件等を取り上げ、産業公害と人体被害、土地利用と都市景観、地域開発、産業廃棄物処理と自治体行政等を検討しました。法による諸々の手法を概観し、都市計画法と建築基準法による都市景観の形成、国立公園制度の問題点や生物多様性を維持する最近の自然保護法制、福島の原子力災害について考えました。秋学期は、Climate crisis、Ecologyについて検討していく予定です。

伊藤守ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(放送学))

執筆:大堀桃歌

「公共市民学」という難解な名前が付いている専修ですが、芸術や文化、都市、政治経済、法など人が作り出したものや環境を何でも研究対象にできる、とても自由な分野だと感じています。1.2年次では、社会科学の基礎的な分野を網羅的に学び、3.4年次では自分の興味のある分野のゼミに所属します。既に興味のある学問のある人は、自分の興味分野以外のことから沢山の気づきを得られるし、大学で学びたいことが分からない、決まっていないという人も、入学後に自分の得意分野をじっくり見極められる環境が整っています。

私は現在、伊藤守先生のゼミで、デジタルメディアの発展が人間の思考・視覚・身体にどのような影響を与えているのかについて勉強しています。特に、デジタルデバイスのUIデザイン設計に強い興味があり、最近では積極的に学外の企業インターンに参加して、大学の勉強にとどまらない広い意味の「メディア」を考えられるようになりました。

何かを研究する際、自分の思考に凝り固まらないことが大切だと感じています。その点、この専修では、自分の興味分野以外の必修科目も多く、1.2年次に「自分にはあまり関係がないかな…」と思っていた授業が、思いがけず自分の興味分野につながることがあり、その意味でも、とても刺激的な環境が整っていると感じています。

澤康臣ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(ジャーナリズム論))

執筆:守安咲乃

澤ゼミは、ジャーナリズムを学び、社会の課題を学生記者として考え、伝えることができるゼミです。

大きな活動としては、学生記者として個人の興味のあるテーマに沿って実際に取材交渉から記事執筆まで行い、「紺碧タイムズ」(外部リンクです)というゼミ独自の媒体に発表します。各々の取材内容に意見し合う「編集会議」が毎週あり、優しく丁寧にアドバイスしてくださる先生、個性豊かな仲間たちとともに切磋琢磨しています。

また、日本新聞博物館や共同通信社へ見学に行ったり、実際に報道に携わっているゲストスピーカーの方のお話を伺ったりする機会もありました。報道の世界で活躍されている澤先生のゼミだからこそできる貴重な経験を満喫してきました。

ゼミを通して身につく力は、「問う力」だと思います。学生記者としてどんなに小さなことにも疑問を持ち、理解を深める中で、報道のあるべき姿を熟考することをこれからも続けていこうと思います。

若林幹夫ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(社会学)A)

執筆:宮林利玖

若林ゼミは、身近なテーマを切り口として自分たちが見たり所属したりしている社会の「当たり前」に切り込み、新たな視点から考えてみるゼミです。みなさんの学校やアルバイト先はもちろん、家族だってその対象たる社会であり、研究の対象です。

3年次ゼミに所属して最初、みなさんは『時間の比較社会学』をはじめとする社会学の重要な文献の輪読を行い、考えるための基礎を学びます。その後3・4年合同のゼミ合宿、ゼミの卒業生の方と関われるゼミ会を経て、3年生のうちにゼミ論を執筆し、4年次の卒業論文に向かっていくことになります。

みなさん、自分にうまくできるだろうかと不安に思うことでしょう。私自身、この不安は4年生になった今でも持ち続けていますが、この若林ゼミはその不安や悩みこそを糧にし、考えもがくことを認め、支えてくれる環境です。ゼミ以外の場でも同期から、「きみの研究に役立ちそうな本を見つけたよ」等のやり取りをはじめとしたつながりがあります。

そして何よりも、学生が真剣に考えたことに寄り添い、受け止め、新たな示唆を与えようとしてくださる先生がいます。大学で学問をするにあたりとても恵まれた環境を与えてくれるゼミです。

野上元ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(社会学)B)

執筆:水谷花梨

野上ゼミでは、主に社会調査法について学んでいます。「社会調査」と一言でいっても、文献を読んで調査を進めたり、インタビューやアンケートを使ったりと、様々な方法があります。それらすべてに共通しているのは、実際に自分の力で調べるということです。このような調査法を、メンバーのみんなと体験しながら学んでいきます。

今学期は、実際に身近な人にインタビュー調査を行った後、『最強の社会調査法』を輪読しながら、インタビュー調査や参与観察の実例を基に、そのコツや面白さを学びました。

野上ゼミの魅力は、先生もゼミ生もとても穏やかな人が多く、自分の意見を臆せずに発信出来るところにあると思います。毎回の講義では、メンバー皆が発言する機会があり、和気藹々と活動しています。実際に、身体を動かして社会について知りたい!そのような人に是非選んでいただきたいゼミです。

近藤孝弘ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(政治教育学))

執筆:三木麻綾

私の所属する近藤ゼミでは政治教育について学んでいます。今学期は『平和主義とは何か』、『歴史修正主義』の二冊を読み、平和主義者の思想から様々なケースにおいてどのように平和が実現するのか、また歴史修正主義とは何かを読み解くことから歴史修正主義への傾倒を防止するには何が重要であるか等、本を基に学生間で自由に議論し合いました。

本ゼミのテーマは政治教育ですが、参加学生は移民問題や共生街づくりの在り方など、テーマに捉われず自由に研究を行っています。そのため多様な関心分野に関心を持つ学生との議論から、新しい視点や発見を得ることが出来ていると感じています。好きなことを自由に学びたい、興味関心の幅が広い、知的好奇心旺盛という方にはとても良いゼミだと思います。近藤先生は学生のどんな発言も否定することなく真摯に返して下さるので、学生も気負うことなく自由な発言をすることが出来ており、非常に穏やかで和気藹々とした雰囲気で活動が行われています。

大西宏一郎ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(経済学)A)

執筆:榊原茉由

大西ゼミでは、主にデータ分析について学んでいます。前期ではオンライン上でではありますが、計量経済学の手法や分析結果の読み取り方について学び、過去の論文の分析をレプリケートして理解を深めています。データ分析と聞くと難しそうな印象を受けますが、扱うテーマは失業率や賃金に関するような経済学的なものから、朝食の種類と大学生の生活満足度の関係のような身近な話題までと幅広いです。自分で分析するテーマは、元々関心を寄せていた事柄やデータに触れていく過程で興味を持った物事などかなり柔軟に決めることができます。現在も有志でゼミの延長としてみずほ銀行の実際のデータを使った分析や大学内でのデータコンペティションへの参加に向けての準備に取り組んでいる最中です。色々なことに実践的に挑戦できる環境なので、まだまだ初めの段階ですが今後様々な発見ができたらと思います。

藁谷友紀ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(経済学)B)

執筆:安齊遼人、水本光祐

藁谷ゼミでは、経済学・経営学の知識と分析ツールを習得し、現実の経済・社会を分析します。

3年生前期では、基礎知識を整理した後、有価証券報告書を理解し、各自で企業を選択しケーススタディ(企業分析)を行います。後期では、卒論のテーマに従い、先行研究を行います。4年では、それをベースとして卒論作成に入ります。

4年のゼミでは、外部講師の方を招き、企業分析・社会動向の分析の「手ほどき」を受けます。私たちゼミ生は、データに向かい合い、「体を動かして」、分析・検討を体得します。3年生も参加できます。

今年度は、対面でのゼミ交流が行えず、大きな不安を抱えての出発でした。しかし、劇的環境変化の中で企業や社会がどう変わっていくのか、どう変えるべきかを追求する、その学びと交流の場がゼミであると考えています。

OB・OGから、発表や就活でのアドバイスを頂くことができます。学業・進路を問わず充実させることが出来る環境です。

熊谷善彰ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(経済学)C)

執筆:田中俊祐

熊谷ゼミでは、主に金融や会計などの分野について学んでいます。

3年次には、教科書に沿うかたちで、財務諸表の見方や現在価値の計算といった基礎的な内容を扱います。同時に、これらを学ぶ上で欠かせないデータ処理の手法についても、実際に表計算ソフトを動かしながら学習します。

4年次には、いよいよ卒業論文の執筆に着手します。経済学に関連するものであれば、テーマは原則として自由です。各々が興味をもっている分野や、場合によっては趣味などとも絡めて設定します。まずは、いくつかの先行研究を精査するところから始め、先生からフィードバックを受けながら研究の方向性を絞ってゆきます。

一口に経済学といっても様々な分野がありますが、当ゼミでは、銀行や株式といった身近で現実的な事柄について学びます。ですから、実際の金融の世界を体感しながら勉強できますし、将来のキャリアにおける実用性も申し分ないでしょう。

黒田祥子ゼミ(ゼミナールⅠ〜Ⅳ(経済学)D)

執筆:佐戸博哉、福永智希

黒田ゼミでは、応用ミクロ経済学を学んでいます。応用ミクロ経済学は、データを用いて実証的に世の中の事象を明らかにする学問です。経済学と聞いて、数学が苦手だけど大丈夫かなと不安に思う人もいるかもしれませんが、本ゼミでは統計ソフトやExcelの使い方を一から学ぶため、安心してゼミに臨むことができます。賃金をはじめ、健康や不動産など、身近なデータを含めた多種多様なデータの分析を通じて、社会課題と向き合う力を磨きます。

また、黒田ゼミでは、グループワークやディスカッション、発表の時間が多くあります。ゼミのメンバーや、先生と意見を交わし、これまで常識だと思っていたことを疑うことで、あらゆる場面で役立つ課題発見能力を身につけることができます。

黒田ゼミは、3年生と4年生が合同でゼミに参加し、共に一つの課題に取り組むことで、学年を越えての交流、先輩や後輩の立場で、学びを深めていくことができる点も魅力です。公共市民学専修・黒田ゼミで、学問の純粋な探求と実用的な学びを経験でき、大学に来て良かったと実感しています。